パワーストーンイメージ

寿命の来たパワーストーンを身に付け因縁の旅に出た私

その日の朝は何だか悪い夢を見たせいか、私の体は重たくてたまりません。
どんな夢だったか内容は思い出せなかったけれど、悪い夢というだけ私にはわかりました。
私は肌身離さず持っている首から下げたお守り袋をギュッと握りしめました。
このお守り袋の中に不思議ないきさつで私の手元に来た、小さなパワーストーンが入っています。
しかし寿命なのか石が弱ってきているような印象を受け、私は前々からの計画を行動に移すことにしたのです。
私はまとまった休暇を取って旅をしている最中でした。
ある手掛かりにより私は、自分のご先祖の一人である男性が息を引き取った場所に行ってきたばかりでした。
警官だった私のご先祖は許しがたい罪を犯しますが、悪い心に負けずにその罪を償う為に自分の命を引き替えにしたのです。
私のご先祖の罪とは、犯人を追っていた時に誤って自分の相棒である警官を拳銃で撃ってしまったことから始まります。
相棒である警官はご先祖のことを恨みながら死んでしまいます。
そのことは私のご先祖にとって胸を締め付けられる苦しみだったはずです。
またご先祖は自分がしてしまったことの重大さに、耐えることが出来ませんでした。
ご先祖が自分の相棒を誤射した事実をもみ消したのは、咄嗟のことで本能的な反応と言えました。
でも追われていた犯人はそのことをしっかりと見ていたのです。
ご先祖が犯人からそのことを聞かされた時、地獄という悪夢の中に放り込まれたのかもしれません。
何日も眠れずに犯人を追うご先祖の苦しみは、あの相棒を誤射してしまった時の濃い霧の中にいるようであり、心の激痛を伴うものでした。
ご先祖の心は深い闇に落ちて行こうとしていたのです。
しかしそのご先祖の心を引きとめたのは、一本の電話だったのかもしれません。
捜査中の彼に電話をかけてきたのは、ご先祖が誤射して死なせてしまった相棒の新妻からだったのです。
まだ愛する人の死を受け入れられない女性の言葉はなく、振り絞るような泣き声だけでした。
幸せいっぱいだったはずの女性から愛する人を奪ったのは犯人ではなく、実はご先祖だったことを彼女が知るはずもありません。
でもご先祖にとって彼女の嘆きは弱い心を貫く剣のようなものだったのです。
ご先祖は最後のところで、彼女に救われたのかもしれません。
犯人はご先祖に何度も接触して、お前も俺と同じじゃないかと言い続けます。
違う、俺は犯人のお前とは違うと悲痛な叫び声を上げるご先祖は絶対に自分は犯人とは別だと信じたかったが、彼は自分の罪を許すことは出来ませんでした。
彼は自分の良心を貫いた剣に、必ず罪を償うという誓いを立てたのかもしれません。
そして犯人と相撃ちになったご先祖は、息を引き取る前にこんな言葉を残したのです。
自分はこれでぐっすり眠ることが出来る、それがご先祖の心が楽になった瞬間でした。
私はご先祖のあまりにも不幸な出来事を悲しみましたが、それに最後には負けなかったご先祖の心にお疲れ様という労いたい気持ちが強くありました。
私にもいつ何時、ご先祖のような事態が起こらないとも限りません。
もしそんなことがあったら、どうか私が強い心でいられるように守ってくださいと私はパワーストーンを握りしめながら祈りました。

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